2023年12月27日
ドードー巡りになる 復活か保護か
半世紀前の1970代初頭、日本はアリスブームだった。今年没後40年の寺山修司をはじめ著述家から、宇野亜喜良、金子國義ら画家まで「不思議の国のアリス」をテーマにした作品を次々に発表した。ディズニーアニメまでも再上映された。
そのブームは私の本棚にも。原作を読んだことがなかったので角川の文庫本を買った。夢の中の話しという「落ち」は知っていたが、突拍子もないキャラクターが奇事怪事を起こすのが楽しく読み進んだ。しかし、いくつも出てくる洒落や言葉遊びの文章に手こずった。初版の19世紀の英国人ならすんなり読めたのだろうが、翻訳した岩崎民平の「注」を見てもぴんとこない個所が多かった。岩崎自身も「解説」で「(洒落の)訳がめんどうで、はなはだ不手際なものがある」と書くほど。
こんなことを思い出したのは、新聞に「アリス」の作中に出てくるドードーのことが載っていたから。全国紙に「絶滅したドードーを米バイオ企業が復活を狙っている」との科学記事。
ドードーはインド洋のモーリシャス島にいた空を飛べない大きな鳥。「不思議の国」のジョン・テニエルの挿絵でも有名だ。16世紀末から同島に上陸したオランダ探検隊などの食料にされ、17世紀に絶滅した。
バイオ企業は現代の近縁動物を利用して、映画「ジュラシック・パーク」のように現代版ドードーを「復活」させるらしい。一方で「復活より、絶滅を防ぐための環境保護に力を入れるべき」との批判も。この対立はドードー巡りになるが、生物を絶滅、絶滅危惧にしたのは人間の営みによることはほぼ間違いない。
焼き物の色復元と「青い謎」の解明も
最低賃金は全国一律が世界の常識
新紙幣発行による経済効果に疑問
商業主義に「負けた」アマチュアリズム
「蛍の名所」に取り組むスポーツ公園
面白い習性をもったクモを見つけた
最低賃金は全国一律が世界の常識
新紙幣発行による経済効果に疑問
商業主義に「負けた」アマチュアリズム
「蛍の名所」に取り組むスポーツ公園
面白い習性をもったクモを見つけた