2024年09月25日

「正剛磁場」に引き込まれた高校時代

「正剛磁場」に引き込まれた高校時代



 「編集工学」の提唱や、書籍紹介サイト「千夜千冊」などで知られる松岡正剛さんが8月12日に亡くなった。毎日新聞の追悼記事で知った。80歳。

 松岡正剛と聞いても知らない人が多いかもしれない。2020年の「紅白歌合戦」で、YOASOBIが高さ8㍍の巨大本棚でぐるりと囲まれた前でパフォーマンスを披露した。場所は埼玉にある角川武蔵野ミュージアムだ。本棚は本棚劇場と呼ばれ、同館の松岡館長の監修によるもの。

 彼が注目されるきっかけは、1971年創刊の伝説の雑誌「遊」の編集長として。私の「出会い」はその数年前。

 高校の図書館に、物理に関する面白い本はないかと、たまに足を運んでいた。2年生の67年の夏ごろ、貸出カウンター横に置かれた新聞架にあったタブロイド紙に目が吸い寄せられた。高校生向けの月刊新聞「the high school life」だった。一面に宇野亜喜良の大きなイラストレーション。地方都市の少年は「神聖」な図書館で閲覧していいのか迷うほどだった。寺山修司、澁澤龍彦、稲垣足穂といった突出した人たちの演劇、文学論が毎月載っていた。私の脳には、歯ごたえがありすぎる紙面構成になっていた。正剛イズムの初期値が示された新聞だった。

 この時以来、半世紀以上「正剛磁場」に引き込まれたままだ。彼の著作内容は、古今東西の文化・哲学・歴史、宇宙の果てから素粒子の深部まで果てしない。しかも「編集工学」の手法で、これらの相互作用まで表現していた。剛速球や縦横無尽の変化球ばかり。内野へのゴロも打ち返せないうちに、マウンドからふっと消えた。合掌。





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この記事へのコメント
≪…「正剛磁場」…≫や≪…これらの相互作用…≫を[ヒト]が、[言葉の量化](セマンティックス)と[数の言葉の量化](シンタックス)とを[4次元時空間](永遠の今)で[統合]している[離散的有理数の組み合わせによる多変数関数]は、「数の発明 私たちは数をつくり、数につくられた」ケイレブ・エヴェレット著・屋代通子訳のよりどころと観える。

 因みに、カタチ(〇△▢ シンタックス)と言語(セマンティックス)の眺望について、[ 日本文化 ]の大和言葉の【ひ・ふ・み・よ・い・む・な・や・こ・と】には、はるか[縄文文様」(野塩外山遺跡・清瀬市郷土博物館)や今様の本歌取りシリーズなどの記事で精神(観念)を見つタイ・・・


 ≪…日本文化の面影を見つける…≫で、数学の基となる自然数(数の言葉ヒフミヨ(1234))を大和言葉の【ひ・ふ・み・よ・い・む・な・や・こ・と】に託す。

 ≪…合掌…≫([十の五色の五蘊物指])
Posted by 遊(岡 中谷) at 2024年10月11日 19:46
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