2023年04月29日
2023年04月26日
「分別生産流通管理済み」って何

毎朝、納豆を食べている。太めの粒が好きだ。めかぶ、キムチ、生卵と混ぜて口に運ぶ。
小学生の頃、漫画やホームドラマで糸を引いた納豆のシーンを見て食べたいと思った。わらで包んだ納豆を売り歩く人はいたが、親から「不衛生だからだめ」と言われた。1950年代初めに、わらを十分に消毒せずに販売し、サルモネラ菌などで死亡する事件があった。初めて口にしたのは、発泡スチロールの容器に入った物が販売されるようになった中学生の頃。以来朝食の必需品に。
最近、納豆の原材料名に、気になる文言が表示されている。大豆について「遺伝子組み換えでない」と書かれていたものが、意味がよく分からない「分別生産流通管理済み」に。4月から遺伝子組換えの任意表示制度が変更されたからだ。
これまでは、遺伝子組み換え大豆の混入が5%以下であれば「組み換えでない」の表示ができたと知った。消費者団体は5%は高すぎるのでEU並みに1%程度に下げるべきと政府に要請していた。これは受け入れられず5%以下の表示を「管理済み」ならOKに。「組み換えでない」は0%の場合のみとした。
日本で使われている大豆のうち、国産はわずか6%。輸入元の7割が米国で、同国産の大豆は94%が「組み換え」。国産と輸入品を一切混在なく管理するのは難しいという。「組み換えでない」と表示してわずかでも混在があれば摘発される。ほとんどのメーカーが「管理済み」表示にした。
遺伝子組み換えへの関心をそらすため、表示を変えさせようと裏で糸を引いた者がいたのではと勘繰ってしまう。
2023年04月12日
2023年04月06日
2023年04月05日
下水道汚泥を 「宝の土」に変える

ロシアのウクライナ軍事侵攻、コロナ禍での輸送費問題や円安による物価高騰が、日本の暮らしを直撃している。肥料業界では、中国の輸出制限も加わり打撃がさらに大きい。植物の成長に必要な窒素、リン酸、カリウムの3要素の原料は、ほとんど外国産頼り。政府の貿易統計によると、窒素の37%、リン酸の90%が中国。カリウムは26%がロシアとベラルーシからの輸入という。
1980年代から90年代にかけ、鹿児島市水道局の職員と付き合いがあった。彼は当時、手書きの組合機関紙を毎日発行。その紙面は、全国の労働組合のコンクールで毎年のように上位入選する腕前だった。二人で「どうしたら手書きでビジュアルな紙面ができるか」など話し合った。
ある日「水道局でこんなもの作っているから、君の所の機関紙でも宣伝して」と、ビニール袋に詰めた物を差し出した。下水処理場の脱水汚泥を1カ月以上かけて好気性微生物で発酵、熟成させた有機質肥料だった。廃棄物の再利用といった運動が全国的でなかった1981年から先進的に取り組んでいた。どんな記事を書いたかは忘れたが、市民にPRする無料配布の写真を撮った覚えはある。商品名は「サツマソイル」で、現在20㌔220円で販売されおり、市販肥料の10分の1以下の低価格だ。
肥料の高騰を受けて、「地産」の汚泥肥料に関心が高まっている。政府も昨年秋に活用の検討会を初めて開いた。汚泥というイメージの悪い名称の変更や、重金属の含有不安の解消で消費者への普及をめざす。全国の下水道汚泥が「宝の土」に変わる日も近いか。