2022年06月27日

大学構内で アオサギに出会った日




 5月4日がみどりの日という訳ではないが、ミニ森林浴をしようと鹿児島大学の植物園に出掛けた。この植物園の歴史は古く、同大農学部の前身である鹿児島高等農林学校が開校した1909年に設置された。約1㌶ある園には、南九州から南西諸島の約250種の樹木が植えられている。絶滅が危惧されるハナガガシや固有種のケラマツツジなどの希少種もある。農学部の実習場だが、一般開放されているため市民の憩いの場にも。

 玉利(たまり)池の縁を通って植物園に向かった。私の学生時代は、この池の周りは大学祭の神輿(みこし)づくりの場所に使われるくらいだった。池の水も濁りきっており、水溜(た)まりの「溜まり」池と思うほどだった。十数年前から水抜き清掃をし、池を囲むようにベンチが置かれ、学生や教職員の親水性のくつろぎの場に変わっている。

 池を巡りながら、池に突き出た築山に鳥の置物が見えた。「これはいらないな」と思いながら見るとゆっくり動いている。本物の鳥だった。細長い首にグレーの胴体。90㌢くらいの体長なので小さなツル?頭部に長さ10㌢ほどの黒い冠羽が見えた。アオサギだった。

 飛ぶところを見たいなと思ったが、一動作をすると1分ぐらいそのまま。大声で通り過ぎる学生がいたが、まったく臆することなくじっとしていた。池にはウナギもいるので、その獲物をずっと待っていたのかもしれない。

 アオサギは甲突川では時々見かけるが、キャンパスの一角で遭遇するとは。自然のままの隣の植物園と池の再生で住みやすい環境になったのかもしれない。ミニバードウオッチングも楽しめたみどりの日だった。




  


Posted by kotota at 15:31Comments(0)エッセーアオサギ

2022年06月19日

本田博太郎さん

NHK朝ドラ「ちむどんどん」# 6 演劇評論家・淀川春夫役の本田博太郎さん。
主人公の料理バトルは興味がないが、脇役が画面にいい味をだしてくれている。







  


2022年06月08日

林真理子さん

林真理子さんが日大理事長に。小説家から大学経営のトップへと、ジャンルを超えた場所に身を置く。日大のジャンヌダルクになれるか。





  


2022年06月05日

山中崇さん

NHK朝ドラ「ちむどんどん」# 5 東洋新聞のデスク・田良島甚内役の山中崇さん。

役名の田良島は鹿児島の南薩地域をルーツとする姓らしい。現在でも全国の田良島さんの半数以上は南薩に住んでいる。
今後、沖縄と鹿児島の関係がストーリーの中にでてくるのか。







  


Posted by kotota at 11:53Comments(0)似顔絵ちむどんどん山中崇

2022年06月01日

暮らしの中にあった 戦争の傷跡




 小高い丘の上に建つ高校に通っていた。坂道に続く80段程の石段の先に校舎が。校名が書かれた校門が、石段途中の踊り場に建っている。入学式の日「校門に門扉がないことに気づきましたか」の問いかけで、校長あいさつが始まった。鉄の扉は戦時徴用で拠出され、その残像が生徒を迎え入れていた。

 幼い頃、防空壕(ごう)に住んでいる人がいたし、遊び場の野原を掘ると小銃弾が出てきた。祖父は冬が近づくとカーキ色の国民服を愛用し、和だんすの奥にゲートルをしまっていた。祭りの日には、白装束の傷痍(しょうい)軍人の楽曲が会場に流れていた。

 戦後生まれであるが、暮らしの中に、戦争の傷跡がかさぶたのように残っているのが見えた。祖母と母は戦時中の一番の犠牲者は、国の中枢にいた人ではなく国民、庶民だったことを繰り返し話した。傷は消えても、伝えるべき記憶は消してはいけないと思った。

 ロシアのウクライナへの軍事侵攻が毎日報道されている。すさまじいミサイル攻撃が住宅、学校、医療施設、避難場所を破壊し、居住地周辺で戦闘が交錯している。必死に戦火を逃れる姿や、泣き叫ぶ女性と子どもたち。家族を失った人たちの悲嘆。瓦礫(がれき)になっていく街。

 「東側」であれ「西側」であれ、生活の場を戦場にすれば、その悲惨さは同じである。かつては自民党の政治家にも、自らの体験から野党以上に戦争反対の姿勢を崩さない議員がいた。しかし「ウラジミールと同じ夢を見てい」た男は、戦闘参加を煽(あお)るように「敵地中枢攻撃、核共有、防衛費のGDP2%以上」と叫ぶ。安倍の悪夢の道連れになりたくない。