2010年05月23日
澤地久枝
ノンフィクション作家の澤地久枝さん。
近頃、ようやく政府関係者も認め始めた、沖縄返還時の日米密約問題、いわゆる「西山事件」を綴った『密約』が有名。
「西山事件」は、私の学生時代に起きたので関心も高く、『密約』も発刊と同時に読んだ記憶がある。テレビドラマにもなった。
西山さんは毎日新聞記者。極秘電文の内容よりも、入手方法の「ひそかに情を通じ、これを利用して」の世論操作が大々的に行われた。
このこともあって、毎日新聞は事件から5年後に1回倒産した。何事にも一つの方向に熱病のようになびく国民性の恐ろしさを、改めて感じさせてくれた事件でもあった。
ニュースキャスターとしての毎日新聞記者が、最近「西山記者はすばらしかった」などと話している。しかし、それよりも「報道機関としてなぜ西山記者を守れなっかたのか」や「当時の世間の『狂気』」について語ることこそが、当時を現場で知る者の姿勢ではないかと思う。
Posted by kotota at 12:12│Comments(0)